こんにちは、すんです。
今回はto不定詞と動名詞についてです。to不定詞と動名詞では意味が全く異なることがあります。
私が通っていた語学学校では多くの生徒がto不定詞と動名詞の使い分けで混乱していました。私もその中の一人です。。
これらの何がややしいかってto不定詞と動名詞どちらも名詞として使えるので、どちらを使えば文章にマッチしているのか迷うことだと思います。
ここでこれらの決定的な違いを覚えて、使い分けをマスターしましょう。
それではto不定詞と動名詞がどんな使い方をするのか一緒に勉強しましょー!
to不定詞と動名詞の違い
まず、to不定詞にはいくつかの用法があるのに対して、動名詞は名詞としての使い方しかありません。
そして特に重要なポイントはto不定詞は未来志向で、動名詞は過去志向という傾向があります。
to不定詞 – To Infinitive | 動名詞 – Gerund | |
型 | to + 動詞の原形 | 動詞 -ing (語尾がingで終わる動詞) |
訳し方 | ~すること(名詞用法) ~するために(副詞用法) ~するための(形容詞用法) ~することになっている(be to不定詞) ○○~したらいいか(疑問詞+to不定詞) | ~すること …主に既に経験したこと、慣習など |
志向 | 未来志向 | 過去志向 |
それでは早速下の二つの例文を見て、意味を考えてみましょう。”stop”の後に置くのが不定詞でも動名詞でも意味を成すことができる動詞の一つです。
上の例文がto不定詞(名詞的用法)、下の例文は動名詞を使っています。
- He stopped to drink.
- He stopped drinking.
to不定詞を使った場合
さてto不定詞は未来志向と言いましたが、どういうことなのでしょうか。
to不定詞のtoは、前置詞のtoと同様に気持ちが向かう方向を表します。toを矢印→に置き換えてみるとイメージしやすいかと思います。
最初の例文でtoがあるとどう違うのか見てみましょう。
- He stopped to drink. (彼はお酒を飲むことを止めた。)
- He stopped → drink. (彼は止めた。→お酒を飲む。)
このようにto(→)を使うと、「これから~する」と未来に気持ちが向いているようになり、未来志向ということです。
したがって例文は、これからお酒を飲もうとしていたけれどやっぱり止めたニュアンスを表しています。
もしかしたらお酒を飲むことが初めてで直前になってやっぱり飲めないと思った人か、お酒に何か虫でも入っていたからやめた人なのかもしれません(笑)
動名詞を使った場合
次は動名詞の過去志向についてです。
動名詞は行動そのものを言い表すために使います。
- He stopped drinking.
ここでの例で言うと”drinking”は「お酒を飲むこと」という行動そのもの、慣習を表します。慣習は既に経験していることになりますよね。つまり過去にやったことがある行動の場合は動名詞を使う傾向があります。
したがって例文は(いつもお酒をよく飲んでいたけれど)彼は禁酒したニュアンスを表しています。
その他、後に続くのがto不定詞でも動名詞でも意味を成す動詞
他にも後に続くのがto不定詞か動名詞かで意味が変わる動詞がまだまだあります。。特に視覚動詞(hear, listen, see, notice, watch)はよく教科書に載っているのを見ます。
ひとまず”stop”の他に4つを選びました。例文を用意したのでどんな意味なのか考えてみてください。一応、日本語訳は一番下に書いています。
Forget
- I forgot to buy the beer.
- I forgot about buying the beer.
Remember
- He didn’t remember to eat breakfast.
- He didn’t remember eating breakfast.
Try
- I tried to call her home.
- I tried calling her home.
Need
- My car needs to be cleaned.
- My car needs cleaning.
to不定詞 – To Infinitive
せっかくなのでそもそもto不定詞って何なのかもおさらいしておきましょう。
まずはto不定詞の形ですが、to不定詞ではtoの後ろは必ず動詞の原形にします。否定をする時はtoの前にnotを使います。
肯定文
to + 動詞の原形
・He stopped to drink.
否定文
not to + 動詞の原形
・He stopped not to drink.
そして使い方ですが、to不定詞には主な5つの使い方があります。
- 名詞用法
- 形容詞用法
- 副詞用法
- be + to不定詞
- 疑問詞 + to不定詞
それでは一つずつ詳しく見ていきましょう。
名詞用法
「~すること」と訳せる名詞用法です。
主語として使う (S = Inf)
・To study English is difficult. (英語を勉強することは難しい。)
目的語として形容詞の後に使う (Adj + Inf)
・It is exicitng to meet new people. (新しい人たちに会うことはわくわくする。)
補語として動詞の後に使う(V + Inf)
・My dream is to be a fireman. (私の夢は消防士になることだ。)
副詞用法
「~するために」と訳せる副詞用法です。
副詞のように使うので、動詞の後(V + Inf)または形容詞の後(Adj + Inf)に使います。
この副詞用法だけで使い方がたくさんあるので判断が難しいんですね。。
そのため目的を表していると分かりやすくするよう”in order to”や”so as to”を使って表現することもあります。これらは会話でもよく耳にします。
“in order to”と”so as to”の違いは下表の通りです。
“in order to” | “so as to” | |
文頭に使えるか | ○ | × |
カジュアルorフォーマル | カジュアル | フォーマル |
目的を表す
・I came here to study English. (私は英語を勉強するためにここへ来た。)
- "in order to"
・In order to succeed, you have to study hard. (成功するためには、一生懸命勉強しなければならない。)
・You have to study hard in order to succeed. (あなたは成功するために一生懸命勉強しなければならない。)
- "so as to"
・You have to study hard so as to succeed. (あなたは成功するために一生懸命勉強しなければならない。)
理由/原因を表す
・I am glad to hear that. (私はそれを聞いて嬉しい。)
結果を表す
- "awoke to find ~ "「目が覚めると~と分かった」
・I awoke to find myself on the bed in hospital. (目が覚めると、私は病院のベッドにいた。)
- "grew up to be ~ "「成長して~になった」
・He grew up to be a teacher. (彼は成長して先生にになった。)
- "lived to be ~ " 「~歳まで生きた(いまも生きている)」
・My grandmother lived to be 100. (私のおばあちゃんは100歳まで生きた。)
- "動詞の過去形 ... never to + 動詞の原形" 「...して、二度と~しなかった」
・He left here never to return. (彼はここを去って二度と戻ってこなかった。)
- "動詞の過去形 ... only to + 動詞の原形" 「...したが、結局~した」
・He studied hard only to fall. (彼は一生懸命勉強したが、結局失敗した。)
形容詞用法
「~するための」と訳せる形容詞用法です。
名詞の後に使うことで、後ろから名詞を修飾します。
普通の形容詞と組み合わせてダブルで名詞を修飾することもできます。
下記例のアンダーラインしている名詞は修飾されている対象です。
名詞の後に使う(N + Inf)
・He has the ability to succeed. (彼は成功するための能力がある。)
・I want something to drink. (私は何か飲み物が欲しい。)
- 形容詞と不定詞で修飾する場合 (N + Adj + Inf)
・I want something cold to drink. (私は何か冷たい飲み物が欲しい。)
- 自動詞のため後ろに前置詞が必要な場合(N + Inf + Prep)
・I don't have a chair to sit on. (私は座るための椅子を持っていない。)
・We earn money to buy the book with. (私たちはその本を買うためのお金を稼ぐ。)
・I have a friend to talk with. (私は話しあえる友達がいます。)
be + to不定詞
be + to不定詞は「これから~することになっている」と訳すことができ、未来に向けた表現をするときに使います。
例えば下の例文を見てみましょう。あなたならどのように訳しますか?
- They are to be married.
be + to不定詞は予定・意図・義務・可能・運命の5つの意味を表現できます。
「彼らは結婚することになっている。」と訳しても、この背景はもしかしたら策略結婚のような義務かもしれませんし、そんな運命だったからとも考えられます。
このようにbe + to不定詞の文では本人の意思とは別な力が働いているようなニュアンスが出せます。第三者の思惑、黒幕がいるときにピッタリの表現ですね。
必ずしもどれか1つの意味だけでなければならないわけではないので、be + to不定詞の文はこのように複数の意味を持ちえたミステリアスな文章になります。
be + to不定詞の持つ5つの意味
予定(~する予定)
意図(~するつもり)
義務(~しなくてはならない)
可能(~できる)
運命(~する運命だ)
ちなみにお互いの意思をもっての結婚だと分かりやすく伝える場合は、
- They are getting married.
と現在進行形を使って言うとよいでしょう。誤解を生まないためにも。
疑問詞 + to不定詞
疑問詞+to不定詞は文の目的語になります。
疑問詞を文の間で使う例は間接疑問文があるのでそれと混同してしまわないように、疑問詞+to不定詞を見たらそのまとまりで名詞(目的語)として見るようにしましょう。
how to ~ (どのように~したらいいか/~のやり方)
・I don't know how to pay the bill. (私は請求書をどう払えばいいか分からない。)
・Please explain how to pay the bill. (請求書の払い方を説明してください。)
what to ~ (何を~したらいいか)
・I don't know what to do. (私は何をすればいいかわからない。)
・I told him what to see in Japan. (私は彼に日本で何を見たらいいか伝えた。)
which to ~ (どちらを~したらいいか)
・I don't know which to select, A or B. (AかBどちらを選べばいいかわからない。)
・Which bus to take to get the station do you know? (駅に着くためにはどのバスに乗ればいいですか?)
when to ~ (いつ~したらいいか)
・I don't know when to go to there. (私はいつそこに行けばいいかわからない。)
・When to go to there isn't decided. (いつそこに行けばいいかは決まっていない。)
where to ~ (どこに~したらいいか)
・I don't know where to sit. (私はどこに座ればいいかわからない。)
・I asked the staff where to sit. (私はどこに座ればいいかスタッフに尋ねた。)
動名詞 – Gerund
続いて動名詞についでです。動名詞の形は動詞の後ろが-ingで終わる形になります。否定文にしたいときは動名詞の前にnotを入れます。
肯定文
動詞 -ing
・doing, being, drinking
否定文
not + 動詞 -ing
・not doing, not being, not drinking
動名詞は「~すること」と訳し、名詞のように扱うことができます。
主語として使う(S = Ger)
・Studying English is difficult. (英語を勉強することは難しい。)
=To study English is difficult. ←この使い方では不定詞/動名詞ともに同じ意味
前置詞の後に使う(Prep + Ger)
・I'm looking forward to seeing you. (私はあなたに会うことを楽しみにしています。)
・She thought about cleaning her room. (彼女は彼女の部屋を掃除することを考えた。)
・I'll carry on working until I get tired. (私は疲れるまで仕事を続ける。)
・Are you good at remembering people's name? (あなたは人の名前を覚えることが得意?)
・They drove without stopping for 8 hours. (彼らは8時間止まることなく運転した。)
動詞の後に使う(V + Ger)
・The travel agent suggested going to Toronto in summer. (旅行エージェントは夏にトロントへ行くことを薦めた。)
・On Sundays I like relaxing and not doing anything. (私は日曜日に何もせずリラックスすることが好きだ。)
さて、先に動名詞は過去志向だと説明しましたが、それでもto不定詞か動名詞かどちらを使う方がいいか迷いが消えないと思います。もっと明白に分かる方法が知りたいですよね。。
実は動名詞を使うのに適した動詞にはタイプがあります。それらは反復・中断・逃避をイメージさせる動詞です。to不定詞が未来を向いたポジティブなイメージに比べて、動名詞にはネガティブなイメージがあると言えます。
まずは「反復」をイメージさせる動詞です。practice, be used to, mind, imagine, be look forward toの例文を用意しました。
- He practices playing the guitar. (彼はギターを弾くことを練習する。)
- I am used to playing basketball. (私はバスケをすることに慣れている。)
- Do you mind not talking so loudly? (あなたは大きな声で話すことに気にならないの?)
- Can you imagine dating with Johnny Depp? (あなたはジョニーデップとデートすることを想像できる?)
- I am looking forward to going to Paris. (私はパリへ行くことを楽しみにしている。)
次は「中断」をイメージさせる動詞です。give up, stop, quit, discontinueの例文を用意しました。
- I gave up doing exercise. (私は運動することを諦めた。)
- Please stop eating in the taxi. (タクシーの中で食べることを止めてください。)
- You should quit smoking. (あなたは喫煙を止めるべきだ。)
- He has to discontinue taking lessons. (彼はレッスンを受けることを中断しなければならない。)
最後は「逃避」をイメージさせる動詞です。miss, avoid, escape, object to ,resistの例文を用意しました。
- I missed watching TV. (私はテレビを見逃した。)
- She avoided meeting him. (彼女は彼に会うことを避けた。)
- He escaped being killed. (彼は殺されることから逃れた。)
- I object to waiting another year. (もう1年待つのは嫌だ。)
- He resisted taking the medicine. (彼はその薬を飲むことに抵抗した。)
※例文の日本語訳
Forget
- I forgot to buy the beer. (私はビールを買うのを忘れた。)…たまたまうっかり買い忘れた
- I forgot about buying the beer. (私はビールを買うことを忘れていた。)…ビールを買う慣習を忘れていた、久しくビールを買っていない
Remember
- He didn’t remember to eat breakfast. (彼は朝食を食べることを覚えていなかった。)…今朝食べたかどうかを覚えていない
- He didn’t remember eating breakfast. (彼は朝食を食べることを覚えていなかった。)…朝食を食べる習慣を覚えていない、久しく朝食をとっていない
Try
- I tried to call her home. (私は彼女の家に電話しようとした。)…試そうとしただけで電話していない
- I tried calling her home. (私は彼女の家に電話をしてみた。)…実際に電話をかけた
Need
- My car needs to be cleaned. (私の車は掃除される必要がある。)…掃除された状態になる必要がある
- My car needs cleaning. (私の車は掃除が必要だ。)…掃除することが必要
Needの例文は不定詞と動名詞どちらも同じ意味を成します。
いかがでしたでしょうか。今回は少し長かったと思います。。
私自身も理解が追い付いていないので、繰り返し読んで理解を深めようと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。