今回はwishの使い方についてです。
私は”wish”と聞くと、クリスマスソングの”We Wish You A Merry Christmas!”を思い出します。それなので”wish”に対しては良いイメージを持っていました。
しかし英語で愚痴を言うときに使えるのもまたこの”wish”なのです(笑)
以下でwishの使い方を5つ解説します。
I wish I did
可能性が低いまたは無いことや、自分では変えられないことへの希望を話すときに使います。現状に満足しておらず、(願っているけど)無理だろなあと諦めている感じです。
動詞の過去形を使いますが、現在(現時点)の話をしています。 例えば”I wish I could fly.”(私は空を飛べたらいいのに。)では、現在飛べないことに対して言っています。
wish + 主語 + 動詞の過去形
「~だったらいいなあ。」、「~だったらいいのに。」
- I wish I were a man. (私が男だったらいいのに。)
- I wish I spoke French. (フランス語が話せたらいいのに。)
- I wish I had no my homework. (宿題が無ければいいのに。)
同じ使い方ができる”If only”
“If only”は”I wish I did”の代わりに使えます。違いは“If only”の方が強調して伝えることができます。
If only + 主語 + 動詞の過去形
「~だったらなあ。」、「~してさえすればなあ。」
- If only I were a man. (私が男であればなあ。)
- If only I spoke French. (私がフランス語を話せれば。)
- If only I had no my homework. (宿題さえ無ければ。)
I wish I had done
過去にした何かに後悔しているときに使います。これはwish + 過去完了の形をとります。
後悔なので過去について話しています。例えば”I wish I had visited a New Year Eve event.”(ニューイヤーイブイベントに行けばよかったなあ。)では、過去にニューイヤーイブイベントに行けなかったことに対して言っています。
wish + 主語 + had + 過去分詞
「~だったらよかったなあ。」
- I wish I had studied last week. (先週に勉強しておけばよかったなあ。)
- I wish I hadn’t eaten much yesterday. (昨日食べ過ぎなければよかったなあ。)
- I wish I had been there. (そこにいたらよかったなあ。)
I wish you would do
人や何か(動物や会社など)が行うことに対していらいらしていて、それを止めてほしい、または変えてほしいことを話すときに使います。
この文は自分自身に対して使うことができないので“I wish I would”とは言いません。
これから変わってほしいことを言うため未来について話しています。例えば”I wish he would stop drinking.”(彼がお酒をやめてくれたらいいのに)では、彼がお酒を飲んでいることが現在まで続いており、未来も続くことに対して言っています。
wish + 人/物 + would + 動詞の原形
「~してくれたらいいのに。」
- I wish you would quit smoking. (あなたが煙草を止めてくれたらいいのに。)
- I wish Japan wouldn’t use nuclear power plants. (日本が原子力発電所を使わなくなるといいのに。)
- I wish it would stop raining. It’s been three days! (雨が止むといいのに。それは三日間続いています!)
I wish to do
丁寧にお願いするときにもwishが使えます。wantを使うよりも丁寧で謙虚にお願いしているように伝えられます。会社で上司やお客様にお願いしたいときに使えます。実現可能性の無さの意味は含みません。
wish + to + 動詞の原形
「~していただきたいです。」、「~したいです。」
- I wish to see you. (私はあなたにお会いしたいです。)
- I wish to talk to you. (私はあなたとお話させていただきたいです。)
- I wish to help you. (私はあなたを助けたいです。)
I wish you luck
最後は他人の幸せや健康を願うときに使えるwishです。
冒頭にも書いた”We wish you a Merry Christmas!”はこれにあたります。
メッセージカードなどでよく使われる定番ワードです。もちろん実現可能性の無さの意味を含みませんので、ポジティブな意味で使えます。
ただし言い方によっては皮肉にも聞こえますので、言うときは満面の笑顔を忘れないでくださいね!(笑)
wish + 人 + 名詞
「~を願っています。」、「~を祈ります。」
- I wish you luck! (あなたの幸運を祈ります!)
- I wish you success in work. (あなたの仕事での成功を願っています。)
- I wish for your health. (あなたの健康をお祈りします。)
wishとhopeの違い
これらを動詞で使う場合の使い分けのポイントは実現可能性の有無にあります。
実現する可能性がある → hope
実現する可能性がない → wish
誰かの幸せを願う → hope/wish両方可
wish/hopeで意味が変わってしまうとき
- I wish I were a woman. (私が女だったらなあ。)
- I hope that I’m a woman. (私が女であることを願います。)???
上の2つの例文では男性が「私が女だったら」という意味で言いたいとき、wishを使うと自然ですが、hopeを使うとちょっと何言ってるか分かりませんね(笑) この例では男が女に変わることは実現可能性が低いのでwishを使います。
それでは次にhopeを使うのに適した例文を見てみましょう。
- I wish I passed the exam. (試験に合格したらいいなあ。)
- I hope that I pass the exam. (試験に合格することを願っています。)
wishの文でも意味を成しますが、実現可能性の無さを含んでしまうため消極的に聞こえます。hopeの文では実現可能性があるので、頑張って試験に合格できる可能性があるととれます。
誰かの幸せを願うときはhope/wish両方可
人の幸せや健康などを願うときには、hopeもwishも同じ意味で使うことができます。ただし文法はちょっと変わります。
wishの後は人 + 名詞と続くのに対して、hopeの後は接続詞thatを使って文章を繋げます。
- We wish you a Merry Christmas!
- We hope that you have a Merry Christmas!
上の2文は同じ意味、「よいクリスマスを!」として使うことができます。(ただしこの例においてはwishを使った文の方がよく聞きますね笑)
細かいことを言うと、実はwishの後にもthatがありそれは省略されているのです。wishの後に続くthatは省略することが普通です。通りで動詞wishの後にすぐ主語動詞と文章が続けられたわけですね。
名詞のwish/hope
wish/hopeはどちらも名詞の顔も持っています。
wish : 願望、望み、願い hopeより具体的で強い願い
hope : 希望、期待、望み wishより抽象的で弱い望み
- Make a wish. (願い事をする。)
- Birthday wishes. (お誕生日の願い事。)
- A wish list. (願い事リスト。)
- All hope is gone. (万事休す。)
- You are my hope. (あなたは私の希望です。)
- There is still some hope. (まだいくつか希望はあります。)
なぜwasの代わりにwereを使うのか?
さて、下の2つの例文はどちらが正しいでしょうか?
- I wish I were a woman.
- I wish I was a woman.
Ifの非現実的な条件付き文やwishを使った仮定法過去を言うときに、I/he/she/itに続くbe動詞はなぜ”was”ではなく複数形”were”を使うのか気になりました。
先に言っておくと、”was”を使っても問題無いようで、むしろ会話で”was”を使っている人は実際にいます。なので上記の2つの例文はどちらを使ってもOKです。
Grammerly Blogによると、「非現実的な話には”were”を使うようにする」と書いてあります。
Is It “If I Was” or “If I Were”?
Grammerly Blog – https://www.grammarly.com/blog/was-vs-were/
Use “were” if the state of being you are describing is in no way the current reality.
英文法のルールとしては、非現実的な話には(主語が単数であっても)”were”を使うというルールになっているようです。今度”were”を使っているのを見たとき、非現実的な話をしているんだなあと思っておくとよいでしょう。
ということで、「なぜwasの代わりにwereを使うのか?」の答えは「英語のルールだから」でした(笑) 英語はおかしいですね。。
まとめ
叶わない願いを言う "I wish I did" (or "If only")
後悔したことを言う "I wish I had done"
やめてほしいことを言う "I wish you would do"
丁寧にお願いする "I wish to do"
人の幸運を願う "I wish you luck"
今回はこれで以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。